平安時代の暮らし

平安時代の女性がお歯黒にしたのはなぜ?やり方と材料はこれ


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平安時代 女性 お歯黒

平安時代の女性のお化粧の一つのお歯黒は現代人から見ると異様なもののですよね。

なぜ平安貴族の女性たちはわざわざ歯を黒く染めたのか?

今回は平安女子がお歯黒をした理由やお歯黒のやり方についてのお話です。

平安時代の女性がお歯黒にしたのはなぜ?

「芸能人は歯が命!」と真っ白い歯で宣伝してるCMがはやったことがあったけど、いまや一般人でも白い歯をキープしようという時代。

そんな現代の私たちから見るとお歯黒ってものすごく異様、なんか見た目がやたら怖いですよね。

え?イカ墨パスタ食べました?みたいな。

きれいな白い歯をわざわざ汚すなんて現代の私たちには考えられない習慣なんですが、平安時代の貴族の女性はお歯黒にするのが一般的でした。

お歯黒にする理由はいくつかあります。

平安時代の女性のお歯黒はおしゃれ

なぜ平安貴族の女性がお歯黒にするのかといえば、それはやっぱり

美しさのため

はいでました、現代人には理解できない平安の美的感覚。

なんでも、歯を黒くすると歯の印象が薄まるので口の小ささを強調できたんだとか。

さらに歯を見せないことで優しく穏やかな顔つきに見せることができたそう。

平安時代の女性は男性といても自分からは話さないくらいの奥ゆかしさが良いといわれていた時代。

口を開けて大きく笑うというのは優雅な振る舞いではなかったそうだけど・・・

本当にお歯黒で顔つきが柔和に見えたんだろうか・・・?

うーん、でも、平安時代の夜は真っ暗闇だし、蝋燭の明かりにしたら白塗りの肌がきれいに見えるようにお歯黒も違って見えるのか?

現代人としてはかなり疑問が残る。

平安時代はお歯黒で虫歯予防

源氏物語の中の藤壺の宮が生んだ東宮が出てくるシーンで「歯は虫歯でところどころ黒くなり・・・」なんて書いてある通り、平安人もやっぱり虫歯になりました。

でも平安時代は医術は全然進歩していないので、当然、歯医者さんなんていません。

虫歯になったら一大事。

そこで役に立ったのがお歯黒です。

実はお歯黒の成分には虫歯や歯周病を予防したり歯を強くするという効果があったといわれています。

お歯黒の材料に多く含まれるタンニンという成分が細菌から口内を守ってくれるんだとか。

ちなみに、タンニンは緑茶なんかに入っている成分です。

なので、

お歯黒をすると虫歯予防になるのはもちろん、虫歯になってしまってもひどくなるのを防いだり、感覚を鈍らせて痛みを感じにくくする効果もあったそう。

その他に、お歯黒には歯並びの悪さや歯の変色を隠すという役割があって、おしゃれだけではなく実用的にも使われていたそうです。

平安時代の貴族のお歯黒は大人の証

そしてもう一つ、平安貴族の女子たちにとってお歯黒は大事な意味があります。

それがお歯黒は大人の女性の証ということ。

平安時代の貴族の女の子は10代前半の頃に「裳着(もぎ)」という今でいう成人式のような儀式をします。

裳着は十二単のアイテムの一つである裳を初めて着る儀式で、この儀式を済ませると結婚してもいい大人の女ということになりました。

で、このタイミングで平安女子たちはお歯黒にしたり、白塗りにしたり、眉を抜いて引き眉を描いたり、というあの平安メイクをするようになります。

なので、平安時代の貴族の女性にとってお歯黒は成人への通過儀礼、

大人の階段のーぼる~♪

という大事な慣わしの一つだったわけです。

平安時代のお歯黒のやり方と材料

で、平安時代のあの異様なお歯黒はどうやってしていたのか?やり方が気になりますよね。

なんでも、平安時代のお歯黒は「鉄漿水(かねみず)」と「五倍子粉(ふしのこ)」というものを交互に塗ることで歯を黒く染めたそうです。

鉄漿水?五倍子粉?現代人からするとなんだそれ?って感じですが

鉄漿水はお酢の中にお酒や米のとぎ汁、釘などの鉄くずを溶かした液体。

色は茶褐色で、ものすごーく臭かったそう!

五倍子粉はヌルデというウルシ科の植物にできた虫こぶを乾燥させて粉にしたものです。

この五倍子粉にタンニンがたくさん含まれているそう。

どちらかだけ、ではなくこの2つを組み合わせることで成分が結合して歯が黒く染まるようです。

鉄漿水にちなんでお歯黒のことを「鉄漿(かね)」ということもあります。

と、

平安貴族のお歯黒のやり方は意外にもしっかりわかった。

なので、お歯黒もやろうと思えばやれないわけではないけれど・・・

お歯黒は試す勇気がでない

だって、とれなくなったら嫌だもん・・・

と思って調べてみたら現代にはもっと手軽にお歯黒を試せる便利グッズがありました

出ました!三善!

やっぱり白粉とかお歯黒は今の時代だと舞台化粧品を探すと出てきますね。

表面を火であぶって柔らかくしてから筆や指先を使って塗るそう。

見るからに真っ黒なトゥースワックスで、大丈夫か?これ落ちるのか?と心配になるけど、以外にも歯磨きすると簡単に落ちるらしい。

ということはつまり、日常生活では使えないということだけど。

まぁ舞台用のメイク道具なんでね。

本気でお歯黒にしたい人は鉄漿やってね!ってことですね。

平安時代の女性のお歯黒まとめ

そういえば、スタジオジブリの「かぐや姫の物語」の中でお歯黒や引き眉にするのを嫌がるシーンがあったなぁ。

確かに、

平安時代の暮らしはいろいろ試してみたいけど、お歯黒はトゥースワックスですら気がひける・・・

なんなら歯はホワイトニングでピッカピカにしたいくいらだ、そのあたりは真っ当な現代人の感覚。

というわけで、だれかお歯黒(特に鉄漿のほう)を試した人いたら感想をご一報ください。


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小町です
子どもの頃から「平安美人」と言われ続けてきた私が自分なりに調べたり、足を運んだり、体験してみたりしてわかった平安時代のあれこれを綴ってます
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